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インタビュー

里山の酒蔵・西山酒造場で「丹波を味わい、発酵を学ぶ」

株式会社西山酒造場

里山の酒蔵・西山酒造場で「丹波を味わい、発酵を学ぶ」

Q1.なぜフィールドパビリオンに参画したのですか?

この場所の感動を、同じように届けたい

 丹波に嫁いできたとき、この土地と蔵の空間の美しさに心を打たれました。その感動を、訪れた方にも同じように感じてもらいたいという思いから、酒造りだけでなくツーリズムの取り組みを始めました。フィールドパビリオンの趣旨である「地域の現場で活躍する人やその現場そのものを知ってもらう」という考えが、自分の目指している方向と重なったことが参加の決め手です。商品としての日本酒は広く流通していますが、その背景にある蔵や田んぼ、歴史まではまだ十分に知られていない。だからこそ、この“現場”を体験してもらう場にしたいと思いました。

Q2.参画前に期待していたこと、参画して感じたギャップは?

即効性より、“ご縁”が広がる実感

 正直なところ、人の少ない地域に人を呼ぶこと自体が挑戦で、不安もありました。参加すれば一気に人が増えるというよりは、少しずつ関心を持って来てくださる方が増えていく、という印象です。丹波といえば農産物のイメージが強く、酒蔵の存在を知ってもらうこと自体が一つのハードルでした。しかし、フィールドパビリオンをきっかけに「行ってみたい」と思ってくださる方が確実に生まれている。距離があっても情報が届き、ファンになって足を運んでくださる。その積み重ねに手応えを感じています。

Q3.活動を進める中で苦労したことは?

手探りの挑戦に、道筋ができた

 ツーリズム事業はまったくの手探りからのスタートでした。もともとは酒造りのための場所であり、そこに人を迎える仕組みをつくるには不安もありました。社内でも最初は戸惑いがあったと思います。それでも、フィールドパビリオンという枠組みがあったことで、「ここまで磨き上げる」という目標が明確になりました。もしこの機会がなければ後回しになっていたことも、一つひとつ形にしていくことができた。負荷はあっても、前へ進むための推進力になったと感じています。

Q4.取り組んで得られた効果や学びは?

誇りが“熱”に変わる瞬間

 訪れた方が蔵の空間や歴史、神棚など大切にしているものに価値を見出し、「すごい」と言葉にしてくださる。その一言一言が、私たちにとって大きな励みです。長年当たり前に存在していた景色が、外の視点によって“資源”として再認識される。その経験が、働く人の誇りや自信につながり、もっと良い場にしようという熱意を生み出しています。酒そのものだけでなく、歴史や物語、空間、人、すべてが価値であると改めて学びました。

Q5. 今後の展望や目標は?

蔵の歴史を、地域の未来へ

 西山酒造が丹波の地で積み重ねてきた歴史や空間は、蔵だけのものではなく地域の資産だと考えています。酒造りの現場や蔵人が寝泊まりしてきた空間、受け継がれてきた文化——それらを体験として届けることで、地域全体の魅力につなげたい。今後は、点としての取り組みを線や面へと広げ、周辺地域との連携も深めていきたいと考えています。完璧を目指すのではなく、できる範囲の最善を積み重ねながら、出会いを未来への力へと育てていきたいです。

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