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インタビュー

荒れた土地を耕したら立派な野菜が育ちました ~耕作放棄地を再生する取り組み~

猪名川杉生農園

荒れた土地を耕したら立派な野菜が育ちました ~耕作放棄地を再生する取り組み~

Q1.なぜフィールドパビリオンに参画したのですか?

“何もしない”から始まった挑戦

 最初は、畑しかなく家も設備もない状態でした。そこで私たちは「今日の予定:何もしない」というタイトルで申し込みました。参画の動機は、大きな構想というより“まずやってみよう”という気持ち。コロナ禍で野菜が思うように売れず、農業だけで成り立たせる難しさも痛感していた時期でした。だからこそ、外の目線や後押しを得ながら、この場所の可能性を形にしていきたいと思い、参加を決めました。

Q2.参画前に期待していたこと、参画して感じたギャップは?

想像以上に“本気の伴走”だった

 参画前は、少しPRになれば、という程度の期待でした。ところが実際は、ワークショップや発表練習などを通じて「ここが足りない」「こうしないと伝わらない」と具体的に求められ、想像以上に厳しく、密度の高い伴走でした。気づけば大屋根リングの前で発表するところまで到達し、あれが最終ゴールだったのだと後から実感しました。一つひとつは練習のつもりでも、積み上げが大きな舞台につながったことが最大のギャップです。

Q3.活動を進める中で苦労したことは?

農業だけでは続かない現実と向き合う

 荒廃地を開墾し、無農薬・有機肥料で作る私たちは、見た目が揃いにくく、一般流通と同じ土俵で勝つのが難しい面があります。コロナ禍では特に売り先がなく、レストランへ自分たちで営業し、珍しい西洋野菜に活路を見出しました。さらに獣害への対応も続き、捕獲や解体まで行うこともあります。加えて、体験プログラムは「収穫だけ」で終わらせず、心に残る形へ磨く必要があり、毎回試行錯誤の連続でした。

Q4.取り組んで得られた効果や学びは?

“趣味”が“地域の仕事”に変わった

 フィールドパビリオンをきっかけに、私たちは正式に「農家」として認められ、周囲の見られ方が変わりました。備忘録のつもりで使っていたSNSも、反応が増え、知らない人が関心を持ってくれる実感が出てきました。体験も、収穫に“加工(ジャムづくり等)”を組み合わせることで、参加者が「自分で作った」と感じられる内容へ進化。看護師としての衛生知識も加工・工房運営に活きました。やってみて初めて、点が線につながる学びがありました。

Q5. 今後の展望や目標は?

“第二の住処”のように過ごせる場所へ

 今後は、この場所で“暮らすように過ごす体験”を広げたいです。農作物の収穫だけでなく、季節の手仕事や加工、自然の中で何もしない時間、食を通じた学びができる拠点にしたい。将来的には、ここでゆっくり滞在してもらえるよう、自分たちで民泊(宿泊)として受け入れられる形も目指しています。制度や条件などの壁はありますが、少しずつ整えながら、「泊まって、朝を迎えて、また畑に出る」——そんな時間まで含めて、この土地の良さを味わってもらえる場に育てていきたいです。

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