世界一大きな渦潮
鳴門海峡は世界三大潮流に数えられるほど潮の流れが急激です。また、海底がＶ字型に急激に深く落ち込んでいるので、深い部分と浅い部分で潮流の大幅な速度差が発生します。もともと速い鳴門の海流が、大きな速度差で増幅されることによって、直径30mにも達する世界最大級の渦潮が発生するのです。
渦潮がもたらす海の豊かさ
巨大で流れの速い渦潮は、その吸引力によって海面の空気を海中へと引き込みます。その一方で、強い回転力によって、海の底に沈んでいる栄養塩を海水にしっかりとかき混ぜてくれます。その結果、鳴門海峡付近では、プランクトンが増殖して、それをエサとした質の高い水産資源が豊富に育つのです。「鳴門の渦潮」の世界遺産登録を目指そうとする地域の取組みが進んでいます。
渦潮発生のメカニズム
太平洋から入った海流は、淡路島に到達すると、東の紀淡海峡から北端の明石海峡を経て島を一周する流れと、西の鳴門海峡をそのまま通る流れに分離されます。この２つの流れが再度合流するとき、時間の経過による潮の干満差が最大1.5mにも達します。急激に狭く深くなる鳴門海峡で、潮位と速度の異なる海流がぶつかることで、大きな鳴門の渦潮が発生するのです。
