体験してみた!玉木新雌で、懐かしい未来を紡ぐ
新発見!デザイナーtamaki niimeによる播州織のものづくり体験
新発見!デザイナーtamaki niimeによる播州織のものづくり体験
tamaki niimeとは、何か?と聞かれた時に、それは人でもあり、場所や、ショップ、ラボ、だったり、自給自足的・循環型のクリエイションでもある。アルパカや山羊もいて、そして何より、イズムに満ち溢れた場所と人で溢れている。さらに言えば、そこにいるスタッフのみんながなんだかとても楽しそうにしているのだ。
だから自ずと訪れた人々も笑顔になる。
笑顔になる前に、まず、驚きがある。驚きは、心を開く、ひとつの装置だ。
綿を育て、糸にして、布にして、染めて、裁断して、ショールやパンツや、Tシャツなどなど、いろいろな作品にする。すべてイッテンモノ。
それは大量生産にあふれた現代の社会システムの逆を行く。
そして原料を育てるところからはじまって、すべての行程が目に見えるからこその価値も伝わるのだ。目の前で出来上がっていく作品たち。
五感を刺激される環境の中で、作品それぞれの違いは、自然とともにある暮らしの中で、1日たりとも同じ日はないという当たり前のなかでの自然の成り行きを見せてくれる。
そんなモノづくりを目の前にしたとき、人はなにを思うのだろうか?
すくなくとも私は、とても自由な気持ちになった。匂いにも敏感になる。すぐ横に動物たちも存在しているから。そうだよね、と、妙に納得する。
すべてのものづくりは、本来、すべてが大地から生まれてきているのだ。
そしてすべてが「土」に還るということを、このところの人々は、うっかりか、意識的かは別にして、すっかり忘れてしまっていないだろうか。私たち自身の命も同じなのにと。
私も8年ほど前から和綿の種を守り、有機農法で育て、綿を収穫し、糸にし、布にしてモノづくりを行うプロジェクトに携わってきた。だからこそ、その課題もよくよく理解しているつもりだ。
なぜ、今、そんなことにトライするのか、その目的がすべて玉木さんらと同じとは言わないけれども、かなりの部分で「取り戻したい未来」のために願うこととして一致しているのではと感じている。
モノづくりのプロセス、食べ物や、生きることのプロセス、すべてをショートカットしがちな今において、または、 AIの進化で、人間存在の意味が問われている今だからこそ、もう一度、失ったであろうプロセスを見直す時期に来ているのではないだろうか。
「素材のことが知りたくてコットンやひつじ、アルパカを育て糸の染めから織り、編み、縫製、販売まで自分たちの手で。ものづくりの現場を見てもらいたくてLab案内をスタートします! 」
ここにすべて書いてあることごとを、まずは目撃してほしい。
そうして驚くか、感動するか、一緒に参加するか、ショールや衣服を購入して、身につけるか?
まさに、体感してこそのフィールドパビリオンが、ここにあるのだ。
取材者:古田 菜穂子 (公社)ひょうご観光本部ツーリズムプロデューサー