体験してみた!

体験してみた!触れる御神体!?奇跡の石 竜山石からパワーチャージ!

播磨

1,700年前からつながるパワーストーン奇跡の浮石「石の宝殿」と竜山石を使ったワークショップ

取材日|2024年7月29日

 日本三大庭園、日本三景、日本三大夜景 など、日本には色々な「日本三大○○」が存在していますが、「日本三奇」という言葉は聞いた事がありますか?奇という漢字だけ見ると 奇妙?奇天烈?何が三つ並ぶの?と思ってしまいますよね。
 実はこれ、奇跡の奇を意味していて「日本三大奇跡」なんだそう。日本で三つの指に入る奇跡の場所・・・なんだかもの凄く御利益があるのでは?期待に胸を膨らませながら高砂・宝殿の地に降り立ちました。

目的地までの道中を楽しむススメ

 JR宝殿駅から西へテクテク歩くこと15分強、高砂市野球場前を通過。余談になりますが、高砂市野球場と言えば、のじぎく兵庫国体(2006年)を思い出します。夏の高校野球での熱戦の興奮も冷めやらぬまま、田中将大投手(通称:マー君、出身高校:駒澤大学附属苫小牧高等学校)と斎藤佑樹投手(通称:佑ちゃん、出身高校:早稲田実業学校高等部)が見られる!見たい!と、硬式高校野球決勝戦に沢山の方が観戦に来られて、球場始まって以来の大騒ぎになっていたなぁ。私も現地で取材をしていたので昨日の事の様に鮮明に覚えています。

 その球場を含め宝殿の地を小高い所から見守っているのが生石神社(おうしこじんじゃ)。今回の一つ目の目的地です。取材日はビックリするほどの快晴で、猛暑ではありましたが、川が近く緑が多い土地柄、木陰がとても涼しくて気持ちよく歩くことが出来ました。

 ウォーキングの目安としては、JR宝殿駅~(徒歩15分強)~高砂市野球場~(徒歩10分弱)~生石神社。駅からしばらくはショッピングセンターや商店のあるエリアを歩くんですが、私的おすすめポイントは、コロッケの美味しいお店を数軒通過すること。食肉センターが近くにある土地柄かお肉屋さんが多く、コロッケを併設で販売している店がほとんど。しかも美味しいんです!「お肉屋さんのコロッケ」と聞くだけでおなかが急に空いてくるのは私だけではないはず(笑)道中のお供にホクホクのコロッケを頬張りながら歩くのもおすすめですよ。(私は今回、暑くて立ち寄れずで悔しい!次回は必ず。)

 たどり着いた生石神社参道では、歴史を感じる鳥居と石段がお出迎えしてくれました。ここから御神体まで167段!頑張って上りました。奮闘の様子は是非動画で(笑)
フィールドパビリオン動画「ココがフィールド10」でご覧下さい。(リンクは最下部にあります。)

あの世界の偉人も訪れていた!

 石段を登りきった所でガイドをしてくださる南さんと合流し、まずは浮き石資料館で生石神社の御神体、石の宝殿についての基本的な事を教わります。そこでいきなり驚きの事実が・・・。南さんが指さしている部分にご注目下さい。

 少し拡大してみましょう。

 なんと!ドイツの医師シーボルトがこの地を訪れて石の宝殿のスケッチを残したそう。世界の偉人も訪れた、奇跡の場所・・・。はやく実物にお目に掛かりたい!はやる気持ちを抑えつつ生石神社本殿へ、いよいよ石の宝殿とご対面です。

石の宝殿がパワースポットと言われる由縁

 

 社務所を通り抜けた先に現れた御神体、ただただ圧巻!水に浮いているように鎮座する、約6m四方の巨石が私たちを迎えてくれました。

 一目瞭然とはこの事か。

「日本三奇」と呼ばれている由縁は目の当たりにするだけで納得出来てしまいました。そのくらい神々しい存在。この感動と驚きは是非実際にこの空気感と共に味わって頂きたいです。

 水に浮いているように見えることから浮き石とも呼ばれている石の宝殿。成り立ちを簡潔に説明すると「岩山を大きく削って巨石を切り出している」なんですが、当時の技術では難しいと思われる、真っ直ぐ切り出されている部分があったり、水に浮いているように見える部分も巧みに石が切られていて「誰が何の為にこれを作らせたのか」が分かっていないのも、謎解き心をくすぐります。

そして、裏側に回ってまたビックリ!

 写真では少し分かりづらいのですが、昔のブラウン管テレビのような大きな出っ張りが!

 90度転がしたら神殿の屋根になるのでは?など諸説あるそうですが、これもやはり何の為に作られたのか分からないそうです。

 こんなに美しく斜めに切り出す技術は、相当な物だっただろうなぁ、数千年前にどんな方法で作業が進められたのかな・・・、色々な想像を膨らませるのも、また楽しい時間です。

 因みに、ガイド南さん的御利益ポイントは、御神体の四つの角なんだそう。いやはや、触る事が出来る御神体は、日本中探してもそうそう無いのでは??私もしっかりと四角触らせて頂いてパワーを分けてもらいましたよ!

1,700年の歴史を紡ぐ竜山石

 生石神社を後にして次に向かったのは「松下石材店」さん。高砂で150年を越える歴史を持つ石屋さんです。フィールドパビリオンの体験申し込みをすると、普段は立ち入る事の出来ない採石場の見学をさせて頂けます。石の宝殿とはまた違った大迫力!

 

 

 採石場をご案内下さったのは、松下石材店 代表取締役 松下尚平さん。とにかく石愛が凄いんです!竜山石のお話を語り出したら止まりません。石の基本情報から取り巻く現状まで、熱いお話をたっぷり聞かせて下さいました。

  竜山石は一億年程前に地球上に誕生し、人類との歴史は1,700年程前から始まったそうです。同じ場所から採石され続け、時代を超えても継続して活用されている石は竜山石だけなんだそうですよ。

 特に大きな特徴は色。

赤・黄・青の三色に分類されるのですが、赤は現在ほとんど取れなくなってきていて鉱物学的にも希少な色になりつつあります。

      

 古墳時代には石棺に使われたり、国会議事堂にも使用されるなど、かつては高砂の一大産業として採石が行われていましたが、現在は松下さんを含めて採石業者はわずか3軒。

 1,700年続いた歴史をこれからどう繋いでいくのかが課題だと話されていました。

 そこで松下さんが積極的に取り組んでいらっしゃるのが、知ってもらうチャンスを増やす事。

 採石場に地元の小学生を招いて職業体験をしてもらったり、竜山石を使ったワークショップを企画するなどして、身近に感じてもらう機会を増やす工夫をされています。

 ・・・と言う事で、私も竜山石のパワーにあやかりたい!キーホルダー作りのワークショップに挑戦しました。

私だけのパワーストーンを見つけよう

 「まず、採石場で好きな石のかけらを1つ拾って下さい」と言われて、周囲をキョロキョロ・・・。直感で素敵な石に巡り会いたいと思った矢先に、ぱっと目に飛び込んで来たのは希少な赤の竜山石のカケラ!

「松下さん!レアな赤を見つけちゃいました!これでもいいんですか?」と尋ねると、「お!ラッキーですね。希少になってきたけれど小さなカケラはまだこうやって見つけられるんです」とのこと。

三角の赤い竜山石を握りしめウキウキした気持ちで、いざキーホルダー作りへ!

 金槌で形を整える時に驚いたのは、石の柔らかさ。赤の竜山石は特に柔らかいそうで、希少な赤い石を削りすぎないように慎重に叩きます。

 次に表面の引っかかりが無くなるように専用のやすりでしっかり磨き、キーホルダー部分を接着します。

 接着する部分のパーツの色も何種類かから選べるんですが、ふと「これ、よく見たらイチゴみたいやん!」と気づいた私。

 赤い竜山石を可愛いイチゴに見立てて緑色を選択。石の宝殿でパワーを頂いたばかりだったから、アイデアが冴え渡っていたのかも!?自画自賛ではありますが素敵に完成!

 石の宝殿の御神体と同じ竜山石で出来たオンリーワンのキーホルダー。

 採石場で自分自身でピンときた石を選んできて作る事が出来るのも大きな魅力なのではないでしょうか。

夕暮れに映えるレトロな町並み

 まだまだ名残惜しくて、おしまいに高砂の町を少しブラリ。瓦屋根に焼き板の壁、石畳の道、どこを切り取っても本当に素敵で、心なしか時間もゆったり流れているような感覚になりました。

 高砂の町では過去に空き家再生プロジェクトが行われて、古民家をリノベーションしてショップをオープンさせた方が沢山いらっしゃったそう。その一つ、古民家カフェ「まどいせん」にお伺いしてお店の中を見せて頂きました。

 リノベーションで一番苦労したところは、「床の張り替え」水平を取るのが難しかったそうですが、自分たちで手をかけて作り上げた分、10年たった今でもふとした瞬間に「あぁ、いいなぁ・・・」としみじみ思うそうですよ。ガラス窓には昭和時代からの希少なものも残っていてどこに目を向けても眼福。絵になります。ゆっくりお茶を頂きながら時間を忘れて過ごすのもいいですよね。

 また、このレトロな空間でレザークラフトの教室を定期的に開催されています。制作のアイデアやインスピレーションもこの空間にいると沢山湧き出してきそうだなぁ。

 神秘的な竜山石に触れ、レトロな町並みにほっこり。高砂の町は私にとっても、度々訪れたい場所になりました。

清水 理恵子(兵庫県広報専門員)

とにかく感動体質で、興味が沸いた物をとことん調べ尽くす癖があります。
感動の鮮度をそのまま記事に詰め込んで、フィールドパビリオンの魅力を発信していきます。

取材者:清水 理恵子(兵庫県広報専門員)

1,700年前からつながるパワーストーン奇跡の浮石「石の宝殿」と竜山石を使ったワークショップ