自然エネルギーを活用した「湯がき体験」
自然エネルギーを活用した「湯がき体験」

自然エネルギーを活用した「湯がき体験」
自分の家の蛇口をひねると、温泉が出てくる。そんな生活に憧れたことはありませんか?
兵庫県美方郡新温泉町にある湯村温泉街には60を超える源泉があり、各家庭には上水道用の蛇口と温泉用の蛇口があるそうです。
そんな素敵な場所で、ひょうごフィールドパビリオンのSDGs体験型地域プログラム『自然エネルギーを活用した「湯がき体験」』を体験したり、温泉に入ったり、カフェに行ったり…。そんな1日を、少しご紹介させていただきます!!
湯村温泉では「荒湯」と呼ばれる98℃の源泉が湧き出ており、これは日本屈指の熱さだそうです。今回はそこで、温泉卵を作りました。
出来上がるのを待っている間に、湯村温泉観光協会の方にご案内いただき、湯村温泉について少し教えていただきました。
湯村温泉には各家庭に温泉用の蛇口があるだけでなく、なんと重曹が含まれているので「洗濯」にも使えて、野菜を「湯がく」とアクも抜けて、ミネラル分が多いので「お肌がプルプル」に!!「飲むこと」も可能だそうですよ!!
上下水道よりも、温泉の方が料金が安いんだとか…。
ちなみに、7月下旬に行ったので暑すぎて断念したのですが、荒湯の近くには足湯もありましたよ!
今度は冬に入りにきたい!絶対…気持ちいい…。と、そんな話をしているとちょうど10分経ちました。
荒湯につけていた卵を取り出し、冷水で冷やして殻を割り、いざ実食!
うーん、美味しい。素朴でありながらも存在感のあるお味です。
近くのお店で卵を買ったのですが、同じ店でじゃがいもなども売っていました。次は野菜の湯がき体験をしたいなぁ。
写真1)湯がいているところ
写真2)温泉卵ゲット!!
そしてそして!生キャラメルも頂きました…!!
練乳を瓶などの入れ物に入れて5時間ほど荒湯につけておくと、出来上がるんだとか。
クラッカーに乗せて食べたのですが、もう、信じられないくらい、美味しかったです。
普通のキャラメルじゃもう満足できない…。あの生キャラメルを食べるためだけでも、行く価値ありますよ!
ついついお土産にもキャラメルが入っているものばかり買ってしまいました。
キャラメルサンドクッキーと荒湯キャラメルフィナンシェ!です!もう私は荒湯のキャラメルのトリコです。
![]() | ![]() |
写真3.4)お土産
と、そんな美味しい体験をしたわけなのですが、観光協会さんの案内で湯村温泉街を少しウロウロしました。
皆さんは、「夢千代日記」というドラマをご存じですか?
1981年に放送された吉永小百合さん主演ドラマなんですが、実はこの山陰の温泉というのが、湯村温泉のことなんです。
”山陰のひなびた温泉の芸者置き屋のおかみ・夢千代。広島で胎内被爆し、白血病で長くない命と知る夢千代の日記の形を借りて、さまざまな人間模様と人生の哀歓をつづります。”
(引用元:夢千代日記‐NHK,「夢千代日記 吉永小百合主演、早坂暁脚本で描いた人間模様」 https://www.nhk.jp/p/ts/7QNP8W6N2N/,2024年10月7日閲覧)
ということで、湯村温泉街には夢千代像や夢千代館といった、「夢千代日記」に関連する名所があります。
写真5)夢千代像
この夢千代像、なんと実物大なんだとか。夢千代像の台座には、広島市旧庁舎を解体する折に寄贈された、被曝当時の敷石を使用しているそうです。
写真6)夢千代館
夢千代館は、「夢千代日記」の舞台となった湯村温泉の昭和30年から40年代の商店街の様子を再現した施設で、物語の世界を体験することができます。
夢千代が営む置屋「はる家」やドラマに登場する「煙草屋旅館」の再現の他、吉永小百合さんが着用した着物などの小道具などもたくさん展示されていました。
私は「夢千代日記」を見た事はないのですが、それでも当時の雰囲気を感じることが出来てとても楽しかったです。
なんと2024年2月に再放送をしていたそうなのですが、その時はまだ「夢千代日記」の存在を知らず…!
どうも某動画配信サービスでも見られるようなので、1度見てみようと思います!
そして、杜氏館にも行ってきました。杜氏というのは、日本酒を造る職人の長のことです。
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうのでざっくりと説明すると…。
湯村温泉の方は、かつて日本のあちこちに赴いて日本酒を造っていた…そうです!なぜ日本のあちこちに赴いていたのか!そしてその時期とは!
その真相は、ぜひ杜氏館に行って確かめてください!日本酒造りの工程や使用されていた道具もあって、とっても面白い場所ですよ〜。
写真7)杜氏館
この蜂の巣みたいなやつは一体…!?ぜひお越しください!
さてさて、ここまではいわゆる湯村温泉といえば!!!的な場所をご紹介したのですが…。
実は知る人ぞ知る、湯村温泉の名物カフェがあるんですね…。
その名も「おばあカフェ」。
文字通り、おばあ達が営業しているカフェ、です。
壁一面にはられた色紙にはおばあ語録!
湯村弁マシンガントークのおばあ達!
看板メニューはおばあの根性焼き!?(大判焼きのことです)
アクセスは「荒湯」からスキップ30秒!!(公式HP参照!)
…濃い。
でもとってもワクワクしませんか?時間が合わずカフェを楽しむことは出来なかったのですが、10分ほど滞在しただけでもおばあ達のエネルギーの凄まじさが伝わってきました!
私の部屋には今おばあカレンダーがかかっております…。日付が書かれたカレンダーで、毎日色んなおばあ語録が楽しめます!
えっと、今日は「だんなのミスはネチネチ責めるが自分のミスは笑ってごまかす」
ふむ…。あっ、明日は「笑ってとぼけてれば人生何とかなる‼」だそうです。なるほど…。
…さて、湯村温泉街をぐるりと回ったところで、観光協会の方とはお別れ。
ツアーとっても楽しかったです!ありがとうございました。
そして、せっかく温泉街に来たのだから温泉に入らねば!ということで、薬師湯さんに行きました〜。
薬師湯さんは主浴室のほかに露天風呂やサウナ、介助風呂もある源泉かけ流しの天然温泉!行った時間が良かったのか、露天風呂はなんと貸切。水温は41℃前後となっていたので、ボーッと浸かったりちょっと涼んだりを繰り返しながら贅沢なひとり風呂を楽しめました!
やっぱり温泉って気持ちいいですね!身体がほぐれる〜。そして普段のお風呂と違ってお肌すべすべ~。
そしてなんとこの薬師湯さん、湯汲み場があるんです。自分で用意したタンクにお湯を入れられるので自宅で薬師湯に入ることができたり、専用のミストボトルに入れてスキンケアに使うことも可能です。
また、現在は休止していたり平常運転は行っていないようなのですが、温泉を使った発電もしているみたいです。とてもエコ。
山陰の、但馬の温泉、と聞くと、城崎温泉が一番先に出てくると思うのですが!!湯村温泉も要チェックですよ!!
そんなこんなで温泉街を楽しんだわけですが、やっぱり…デザートは…欠かせないですよね…!
というわけで!カフェ98℃さんにお邪魔しました〜。ちょうど荒湯を上から見下ろせる位置にあるカフェです。「ほっと一息つける場所」「気軽に楽しくおしゃべりできる場所」というコンセプト通り、すごく落ち着いた空気でありながらも窓がすごく大きくて開放感を感じるカフェでした。
こちらのカフェでは、但馬鶏とトマトソースのホットサンド・レモンスカッシュ・荒湯キャラメルソースのガレットを頂きました!荒湯「キャラメル」ソース!ふふ…生キャラメルの伏線回収です…ふふふ…。もちろんホットサンドもレモンスカッシュも美味しかったのですが…!やっぱりキャラメル…!こちらの写真ご覧ください…うふふ…。
写真8)キャラメルソースのガレット
なんかもう、めちゃくちゃに美味しかったですね…。筆舌に尽くしがたい美味しさなので、是非食べてみてください…。三人でカフェに行き全員がキャラメルソースのガレットを頼んだのですが、ちょっとずつ届く時間がずれてたんです。一番最初に届いたものは私が食べたのですが、あまりのおいしさに一心不乱に食べ過ぎて、最後の子に届くころにはもう食べきってました。えへ。
また行きたい!!!
写真9)コワーキングスペース
そしてこのカフェにはコワーキングスペースもあります!ここで作業して…ガレット食べて…温泉入って…。完璧。
ランチメニューもとっても美味しそうでした。湯村温泉に行く時なら見逃せないカフェです!
食べ終わったあとは少し帰るまでに時間があったので、10分ほど湯村温泉街をぶらぶらしました。どうですかこの道!ほとばしる風情!
写真10.11)小道
地図を見なかったので、どこに繋がってるか分からずにズンズン進んで行ったのですが、最後は朝野屋という老舗旅館の前に出ました。どこの道か、探してみてください!
そんなこんなで思うがままに湯村温泉街を楽しんだわけですが。
皆さんいかがでしょうか。
もう今にも湯村温泉に行きたくなったのでは?
いまにもキャラメルを食べたくなったのでは?
施設や人から感じる湯村温泉の素敵な雰囲気。
温泉街に流れる時間はすごくゆっくり。
夏に行ったにも関わらず、温泉はあついと言うよりもあたたかくて。
まさに癒し。
なのに温泉の温かさと流れる時間が上手く利用されており、ただの癒しにとどまらない生活の知恵。
ただの温泉街の枠では語りきれない「湯けむりの郷」湯村温泉に、ぜひ訪れてみてください。
取材者:芸術文化観光専門職大学 2年生 長谷 言意