体験してみた!

体験してみた!元気になれる酒蔵体験

丹波

里山の酒蔵・西山酒造場で「丹波を味わい、発酵を学ぶ」

王冠
取材日|2023/06/26

 わざわざ京都のホテルに泊った方が西山酒造場にお酒を買いにいらっしゃるらしい。
気に入ったお酒だとしてもわざわざ酒蔵まで行く必要は無いだろう。今どきはネットで注文してホテルに届けておいてもらえればいいものを…
いやいや、本当に実際に自分が行ってみてわかりました。西山酒造場に行きたいんだってことが。

表玄関からの見る西山酒造場、ようこそ!

 

 2014年の水害、そこから復興して今の西山酒造場があるそうです。敷地や建物、設備のすべてが泥まみれで事業の継続が危ぶまれるような状況。いまはその面影は全く無く日本酒を生み出すキリッとした雰囲気に包まれています。

 復興という表現は元あったものに戻すのではなくこれまで以上のものにしようという思いで使われているそうです。

 私が訪問したときは日本酒だけではなく発酵を学びながら楽しめる施設も準備が進んでいました。

 準備中の施設の一部。かっこいい。

発酵をキーワードにした体を元気にする食事、美しい

  日本酒造りだけではなく発酵をふんだんに取り入れた地元食材で作られる料理の美しいこととそして美味しいこと。料理に合わせてペアリングなど企画も進行中とのことで今から楽しみです。

 

とにかく素敵な蔵人(くらびと)さんばかり

 訪問前のイメージは黙って黙々と仕事をする男の人の世界だと思っていたのですが、全く違いました。女人禁制だった酒造りの世界に女将自らが改革を手動され、女性の蔵人の方がたくさん活躍されています。しかも、地元の人ばかりではないそうで全国から西山酒造場で酒造りをしたいと応募があるそうです。

 そうそう、酒造りを学ぶために外国から西山酒造場をめがけて来る人もいらっしゃって、それが蔵人にもとってもいい刺激になるんだって女将が仰っていたのが印象的でした。

 西山酒造場には高浜虚子が 「ここに美酒あり 名づけて小鼓といふ」と銘柄を命名したという、他にはない歴史があります。

 これは三代目の社長が俳人として虚子のお弟子で非常に深い親交があったからだそうです。

三三庵(ささあん)の当時の写真、今も建物あります!

 外には普段開放されていない酒造りの世界を実際に見て、触れて、味わえる複合施設「鼓傳(こでん)」。

 酒造りの菌や酵母の温かみを感じられる木造の建物では発酵文化を学べます。さらに、西山酒造場と縁のある文人墨客たちの作品を展示するギャラリースペースを用意して高浜虚子、小川芋銭、綿貫宏介などの貴重な作品を展示される予定だとか。文化芸術を後世に繋げるため、新人アーティストの発表の場としても活用するなどしてますますパワーを貰える場所になりそうです。

 そうそう、西山酒造場に宿泊されたらぜひ訪れてみてもらいたい場所があります。石像寺という山寺がありとっても素敵なお庭があります。

石像寺の入り口、お庭で姿勢がシャン!

取材者:小田垣 栄司(「大阪・関西万博」ひょうご活性化推進協議会企画委員会常任委員)