体験してみた!

体験してみた!淡口醤油と発酵文化が根付くまち・龍野

播磨

龍野に息づく、醸造体験および蔵見学ツアー

王冠

 江戸時代から昭和初期にかけて建てられた建物が多く残る街並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。時折見られるレンガ造りの煙突は、蒸す工程の欠かせない醤油蔵が栄えた場所であることを感じさせます。姫路に住んでいながら、一歩足をのばせば、すぐに来れる場所!龍野が「醬油づくりのまち」ということはもちろん理解していたんだけど、もっと深く教えてくれる場ってあったら良いなあとずっと思っていたんです。そのタイミングで、『発酵LabCoo』さんと出会いました!

淡口醤油、発祥の地

日本の調理に欠かせない調味料『醤油』。出汁に使ったり、そのままかけて使ったりなど、色々な使い方があります。中でも、醤油の色をつけない淡口醤油は、さまざまな料理で重宝されています。淡口醤油の発祥の地が、実は兵庫の城下町・龍野なんです!

お話を聴いて最初に驚いたのは、淡口醤油の塩分は濃口醤油の塩分よりも高いということです。昔から龍野は京阪神の大消費地に近く、淡口醤油は素材の色や風味を引き出すのに重宝されていたそうで、関西らしい文化を感じました。そして、龍野は、揖保川流域にあり、周囲にある赤穂の上質な塩、播州平野の米や麦、近隣の上質な大豆といった豊かな産物と合わせることで、淡口醤油ができあがったことを教えて頂きました。現在でも、龍野は五大醤油産地の一つとなっています。

歴史的な街並み

発酵LabCooの暖簾をくぐる

私の、私だけの、私のための「オリジナル」醤油づくり

『発酵LabCoo』さんで、様々なフレーバーを使った、「オリジナル」醤油づくりを体験しました。自分好みの味付けで、持ち帰ることもできるんです。どんなものを入れるかというと、干し椎茸、鷹の爪、煮干し等の和食材。それ以外にも、バジル、ローズマリーなどの香りの強いもの。いろいろ試してみたくなって、とっても悩みます。あー、結局、全部入れてしまいがち(笑)。持ち帰った後、現在は、ちょっと特別な日に、または毎朝のリズムを整えたいときに、自分のためのオリジナル調味料として活用しています。

毎日、醤油を当たり前のように使っていたけど、そんな日常を振り返って、食生活から日本の風土や文化を感じることができるようになって、日々の生活が豊かになったことを実感しています。

発酵LabCoo室内



瓶にフレイバーを詰める


完成品は、自分で外装をデザイン


醤油について詳しく解説してくれる

“地産地酵”

「淡口醤油発祥の地」であり「オリジナル」醤油づくり体験を教えて頂いた素敵なご夫婦が松下夫妻です!お二人からは、かつて、日本の各家庭ではぬか漬けや味噌などの発酵食品を作っていて、それぞれの「おうちの味」があり、食材、その土地にしかない空気、微生物からなる発酵の味、地域の人が地域の食材を使って地域の味を醸す(かもす)ことを教えて頂きました。あとで、調べたら、そういった活動を“地産地酵”と名付け、その地域ならではの発酵文化の情報も発信しているということでした。

たくさんの方々が日本の伝統食品の味や歴史に親しみ、各家庭で発酵食品を手作りし、地域の味を引き継いで頂く機会にしたい。こんな風にお話をしてくれて、土地の魅力をずっと大事にしてきた素敵なお二人だなと思いました。

旦那様は、龍野の大手醤油メーカー(と言えばだいたいわかりますが)で基礎研究や食品開発を行ってきた農学博士なんです。奥様は、栄養士であるとともに、発酵教室の講師をしていて、播磨の発酵の伝道師みたいな方です!お二人ともすごい専門家なんですよね。

そしたら、さらに向かいのお店を紹介して頂きました!井戸糀店さんは、大正15年から変わらない製法で、手間隙かけてつくり続けている糀の専門店です。市内の多くの飲食店で料理などに活用されている糀の秘密を覗きに暖簾をくぐれば、待っているのは年季の入った鍋と糀室と大将の糀にかける熱弁でした。なんだか、聴いている私も気持ちが熱くなってきました!

『発酵LabCoo』さんも井戸糀店さんも、土地の魅力だけでなくて、お互いが周辺の地域の方の想いも大事にしていて、一緒になって龍野の街を育んでいきたい!という情熱を感じました。そんな想いをきっと、昔から龍野の方々はずっと大事にしてこられたんだろうし、それを現在に引き継いで後世に伝えているんだなあと感銘を受けました。

醤油について詳しく解説してくれる

井戸糀店の暖簾をくぐる

年季がはいった麹蓋

仲間を連れて再訪!

とても素敵な時間を過ごすことができたので、私も仲間を連れてリピートしちゃいました!とても親切に対応して頂いた松下夫妻には、とても感謝しています!専門家という視点に立ち、「発酵」っていう文化がもっと地域全体に広がって、当たり前のように、身近に発酵に親しんで、そして土地を大事にして、想いを大事にして、仲間を大事にして、これからも日本に「地産地酵」を伝えてほしいです!

参加者全員で記念撮影!有意義な時間!

醤油に関わる伝統や知恵を学ぶ


オリジナル醤油がたくさん!


親子で醤油づくり体験

平櫛 武(キタイ設計 (株 )事業開発本部 部長 「大阪・関西万博」ひょうご活性化推進協議会企画委員会委員 ひょうご関係人口案内所(さとまちガイドラボ)事務局 建設コンサルタンツ協会マネジメントシステム委員会環境配慮専門委員会副委員長

取材者:平櫛 武(キタイ設計 (株 )事業開発本部 部長 「大阪・関西万博」ひょうご活性化推進協議会企画委員会委員 ひょうご関係人口案内所(さとまちガイドラボ)事務局 建設コンサルタンツ協会マネジメントシステム委員会環境配慮専門委員会副委員長