「いぶし銀」と呼ばれて
400年続く淡路島南部の「淡路瓦」は、三州瓦(愛知県)・石州瓦(島根県)と並んで日本三大瓦産地の一つに数えられます。その特長は「いぶし銀」と呼ばれる美しい銀色の仕上がりの「いぶし瓦」です。土の焼き締め後に「薫化(くんか)」と呼ばれる作業を加えることで出来上がるいぶし瓦は、日本の伝統的な建築物の修繕に欠かせません。いぶし瓦製造日本一の淡路瓦が、日本の屋根景観及び、日本の文化財保全を下支えしています。
100%自然素材
淡路瓦は淡路島産の自然素材でアスベスト等を含まない良質な粘土を使用しており、100%土にかえる粘土瓦の製造技術を継承しています。「耐久性」「遮音性」「断熱性」に優れているので、日本の気候風土に適した快適で堅固な住環境を創出します。一方で、自然素材であるのでシックハウス等の悪影響とも無縁です。製造時の不良品をリサイクルした新商品開発にも取り組んでいます。
「いぶし銀」の秘密は土にあり
淡路瓦の特長を引き出すのは、この地域で産出される「なめ土」と呼ばれる、粒子が細かく鉄分を豊富に含んだ粘土です。淡路瓦の焼き上げ温度は、他産地よりも100~200度低温ですが、それでいてしっかりとした強度に焼き上がります。加えて、焼成時に他に類を見ない強固な炭素膜を表面に形成するので、美しい「いぶし銀」の仕上がりとなります。これは300万年~200万年前は、この地が湖の底であったことで良質な土が形成されたことに由来します。