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歴史的なルーツがいっぱい

御食国

御食国
食材の宝庫「御食国」
食材の宝庫「御食国」

 かつて、特定の地域の食材を皇室に献上する「御食国」という制度がありました。記録によれば若狭・志摩・淡路が該当すると推定されています。淡路からは飲料水・塩・海の幸が、日々、都に運ばれていました。保存技術が十分でない当時のことですから、単に地域の食材が豊富なだけでなく、塩づくりや漁の技法、保存の技術、そして運搬の航海術などがそろってはじめて実現したことです。現代も大正・昭和・平成・令和の4代にわたり天皇陛下の即位時の大嘗祭では、淡路産の干鯛が献上されています。

豊かな海と陸が育む食料供給基地
豊かな海と陸が育む食料供給基地

 3つの海峡の潮流に揉まれた「淡路島えびす鯛」、生きたまま京都八坂神社に奉納されるハモ、通常より1年長く育成される「淡路島3年とらふぐ」、料亭で極上品とされる「由良のウニ」、生しらす丼として提供されるほど高鮮度のイワシシラス等の海の幸のほか、「淡路ビーフ」や「牛乳」等の畜産も盛んで、その副産物である堆肥を活用した「淡路島たまねぎ」や「レタス」等の野菜と水稲を組合せた三毛作栽培や、「淡路島なるとオレンジ」等の果樹栽培など、温暖な気候のもとで多彩な農産物が生産されています。

島の水資源を支える仕組み
島の水資源を支える仕組み

 淡路では南部を中心に豊かな農業適地が広がる一方で、温暖小雨で大きな川もないため、日本最多の約1万ものため池が築造されています。そして、「田主」と呼ばれる独自の水利組織による用水配分の慣習をはじめ、ため池や地下水を高度に利用する水管理の知識システムが発達しました。近年は管理が行き届いていないため池が増えてきていて、景観や生物多様性、防災上の観点から問題となっています。


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