Build Back Better
災害から単に復旧するだけでなく、災害前よりもよりよい社会の姿を目指していく「創造的復興」は、1995年の阪神・淡路大震災に際して兵庫県が提唱した復興モデルです。このモデルは「Build Back Better」として、2015年の国連の「仙台防災枠組」にも位置づけられるなど、国内外の災害復興に活かされています。
次なる災害への備え
兵庫では、阪神・淡路大震災を契機に、自助・共助・公助それぞれの防災対策や枠組みづくりが進められています。自主防災組織の組織率は100%近くに達していて、防災訓練や資材の備蓄などに住民が主体的に取組んでいます。公の支援が行き届かない部分をカバーするフェニックス共済制度が運営されています。近い将来発生が予見される南海トラフ地震に向けて、構造物の耐震化や防潮堤の整備といったハード対策と併せて、ソフト対策によって減災の準備が進められています。
復興と景観保全の両立
地震よりも頻繁に発生するのが台風や豪雨による水害です。因幡街道の宿場町平福は、佐用川の川沿いに川屋敷や土蔵群が建ち並ぶ景観地区でしたが、2009年の台風災害で河川氾濫による深刻な被害を受けました。次なる台風に備えて大規模な河川改修工事を行う必要がある一方で、美しい平福の景観の修復をどう両立するかが課題でした。行政と地元で検討会を設置して、護岸に自然石を石積みするなどの工夫が講じられ、景観保全のためのソフト支援も行われることで、両立が実現されました。