ひょうごを学ぶ!

歴史的なルーツがいっぱい

三木金物

三木金物
日本最古の金物産地
日本最古の金物産地

 日本最古の金物産地と言われる三木市。その起源は、5世紀中頃に、朝鮮半島からこの地に住みついた韓鍛冶の交流から始まったとされています。そして、発展の契機となったのが、戦国時代の羽柴秀吉による三木城攻めです。戦後、荒廃した町を復興させるために、秀吉は各地から大工職人と、その大工道具を造る鍛冶屋職人を集めました。復興後に三木から日本全国へと散らばっていった大工たちの道具が全国で評判を呼び、「金物のまち三木」のブランドが確立されました。

鉄のアップサイクル
鉄のアップサイクル

 日本刀に代表されるように、日本の刃物は切れ味が抜群と世界中で評価されています。これは、刃となる固い鋼を柔らかい軟鉄の刀身で包み込むことで、切れ味と折れにくいしなやかさを両立しているからです。刀身となる軟鉄は、古いレールや碇など製錬技術が未熟であった時代のものが最適です。軟鉄と鋼を接着する触媒は鉄屑を腐食させたものを使用しています。資源の乏しい日本だからこそ、高価な鋼素材の活用を最小限にとどめ、鉄をアップサイクルする技術が継承されてきたのです。

鉄の産地と消費地をつなぐ「交流の地」
鉄の産地と消費地をつなぐ「交流の地」

 神話に登場する鍛冶の神様の伝承が「播磨国風土記」に記されていることから、播磨は古くから製鉄や鍛冶が盛んな地域であったと考えられています。三木は日本古来の「たたら製鉄」の原料となる、良質な砂鉄の産地である播磨北西部や中国地方へと向かう街道上にあります。鉄の産地と消費地である奈良・大阪・京都の中間に位置する「交流の地」であったことが、この地で古くから鍛冶が盛んであり、朝鮮半島から技術者を迎え入れる背景になったのです。


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