体験してみた!公共交通機関で巡る旅~但馬のフィールドパビリオンを体験~
野生復帰したコウノトリが教える地域環境づくり
野生復帰したコウノトリが教える地域環境づくり
パリ五輪で次々と金メダルをとる選手達。3年前の東京五輪は、ほとんどの試合で無観客だったが、2大会ぶりに観客が動員され、大いに盛り上がっている。
パリ五輪特集では、「花の都・パリ」の美しい街並みが放送され、旅行気分がそそられる。ちょうど来月は、関西に行く機会があるので、前々から興味のあった山陰本線の山陰海岸沿いの景色や、余部鉄橋を見に行こう。色々調べてみると、兵庫県には、SDGsの取組を体験するフィールドパビリオンがあるらしい。鉄道が元々好きで、全国のローカル線に乗ってきたので、今回は、ローカル列車に乗り、但馬のフィールドパビリオンを体験することにしよう。
大阪駅から特急「こうのとり」に乗り、豊岡まで向かうことにした。平日ということもあり、乗客はまばらだ。目的地の豊岡に近づくにつれ、川や田園があり、都会では中々見慣れない光景がある。特に、丹波の川代渓谷沿いの区間は、美しく見所たっぷりだ。
コウノトリは、つがいが添い遂げることから、幸福や子宝のシンボルとされている。コウノトリの郷公園は、豊岡駅から約4.5kmと少し離れているため、豊岡駅到着後、タクシーでコウノトリの郷公園に向かった。こちらでは滞在時間や希望に合わせて、「園内ガイドとコウノトリの観察」、「コウノトリの野生復帰と自然環境の講話」、「コウノトリ文化館の見学」が選択できるらしい。
1971年、農薬による環境汚染や餌場の喪失により、日本の野生のコウノトリは絶滅。そこで研究者によりロシアから寄贈された6羽の幼鳥の人工飼育・繁殖の他、農業者有志による減農薬・無農薬農業の取組、行政による水路や河川の生物生息環境の改善等により、2005年にコウノトリの野生復帰が成し遂げられた。
また、農家が、コウノトリのエサとなる生き物が育つ環境を作るために、冬の間も田んぼに水を張り、肥料を減らす「コウノトリ育む農法」で作ったお米(コウノトリ育むお米)は大人気のようだ。どうやらコウノトリには、自然環境保全と地域経済を両立するヒントがあるようだ。
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野生復帰したコウノトリが教える地域環境づくり
コウノトリの郷公園から、全但バス(コウノトリの郷公園―豊岡駅前)とJR山陰本線(豊岡駅―城崎温泉駅)キハ47系に乗車して、城崎温泉に向かった。
城崎は、日本海に近いことから、新鮮な魚介類がそろう”海の幸の宝庫“でもあり、綺麗な水と空気がそろう”山の幸の宝庫”でもある。
今回のランチは、海の幸を満喫するために「おけしょう鮮魚の海中苑」へ。お造り定食や天ぷら定食もあったが、海鮮丼をチョイス。11種類の魚介をたっぷり使用したボリューム満点の海鮮丼は、月並みだが、ほっぺが落ちるくらい美味しい。
ランチの後は、城崎の案内人と町巡り。城崎は、1,300年の歴史ある古い町並みと新しさが融合した伝統ある温泉地で、浴衣と下駄で巡る外湯巡り発祥の地だ。
北但大震災から復興100周年を迎える城崎温泉の町並みを、明治の古地図と現在の地図を照らし合わせながら、解説付きで巡る。城崎温泉の町作りと歴史を体感できる素敵なガイドツアーだった。
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選べる新旧 城崎温泉町めぐり (音声ガイダンスでめぐる城崎温泉&古地図でめぐる城崎湯島)
次は城崎温泉発祥の「麦わら細工」に挑戦だ。大麦のわらを原料に桐箱や色紙に細工を施す「麦わら細工」は、300年の歴史があり、兵庫県伝統工芸品および豊岡市無形文化財に指定されている。
ちなみに「麦わら細工」は、フランスにもゆかりがある。元々は、17世紀に欧州に伝わったとされるが、高級な寄せ木細工に対して「貧乏人の麦わら細工」と呼ばれ、英仏では18世紀末からもっぱら囚人の仕事だった。しかし、フランスで見直され、その後1980年代に人気が再来したとのことだ。
今回の体験では、ハガキや風鈴、六角箱等がある中で、うちわを選択。材料は既に準備されており、先生の作品を参考に、うちわに麦わらの材料をのりで貼っていく。細かい作業だが、小学生の図工みたいで楽しいではないか。全て貼り終われば、うちわから貼り付けた材料が落ちないよう、先生に圧延していただく。うん、我ながら良い出来栄えだ。
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城崎温泉発祥の伝統工芸品「麦わら細工」歴史とものづくり、新しい芸術性の体験
「まち全体が大きな温泉宿」で、著名人が多く訪れる日本有数の温泉街。旅館をベースに、浴衣を着て温泉街の外湯や飲食店を巡るのが城崎スタイルで、非日常を味わえるのが楽しい。
外湯巡りは1日では全て回りきれなかったので、次回訪れた際の楽しみにとっておきたい。今日はたくさん歩いたので、お酒もそこそこに早めの就寝。
温泉効果もあり、すっきりとした目覚めだ。今日は、小型船で観光遊覧をするため、JR山陰本線(城崎温泉―香住駅)とコミュニティバス(香住駅―保安署前)で目的地に向かう。都会では見慣れない2両編成で、降りる際には、車掌さんに切符を渡すローカルならではのスタイル。
香住駅では大きなカニが迎えてくれ、そのままコミュニティバスに乗車する。全但バスでは交通空白地域・不便地域の解消等を図るため、但馬内3市2町の一部コミュニティバスの運行を受託しているようだ。
運転手と乗客は顔なじみなのだろうか、テンポの良い会話が心地よい。
温泉効果もあり、すっきりとした目覚めだ。今日は、小型船で観光遊覧をするため、JR山陰本線(城崎温泉―香住駅)とコミュニティバス(香住駅―保安署前)で目的地に向かう。都会では見慣れない2両編成で、降りる際には、車掌さんに切符を渡すローカルならではのスタイル。
香住駅では大きなカニが迎えてくれ、そのままコミュニティバスに乗車する。全但バスでは交通空白地域・不便地域の解消等を図るため、但馬内3市2町の一部コミュニティバスの運行を受託しているようだ。
運転手と乗客は顔なじみなのだろうか、テンポの良い会話が心地よい。
海上タクシーに到着。こちらは、ハワイを彷彿させる透き通った美しい海を、漁師歴数十年のベテラン船長を中心に周遊するツアーだ。ユネスコ世界ジオパーク遺産に認定されている山陰海岸国立公園「香住海岸」には、かえる岩・めがね岩・青の広場など数々の奇岩や洞門、洞窟が存在しており、大型船で近づくことが難しい神秘的な洞門に入り、圧巻の岩肌を海上から間近で感じることができた。
但し、こちらは波が経つと安全面を考慮して欠航になることもあるので、当日もHPを確認しておいた方が良いみたいだ。
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小型船で巡る海の観光遊覧
観光遊覧のあとは、コミュニティバス(海の文化館―香住駅)、JR山陽本線(香住駅―餘部駅)に乗車して、およそ40分で余部鉄橋に到着した。但馬は公共交通機関が不便なイメージがあり、実際本数は少ない。しかし、目的地から逆算すれば、車がなくても旅することができるようだ。
余部鉄橋は、明治45年、機械力の乏しい時代であって、当時最高の土木技術が結集され、わずか2年2ヶ月という短期間に完成された地上約41mの鋼製トレッスル橋だ。海岸に近接し、潮風の影響を強く受ける厳しい自然条件にありながら、橋守の方々がサビと闘い、鉄道関係者が懸命に保全をはかることで、約100年間山陰地方の大動脈として地域の発展を支えてきた。その後、列車転落事故を契機に安全性の確保と定時運転を実現するための検討が進められ、鉄橋からコンクリート橋に架け替えられ現在に至っている。
高さ約41mの場所に位置する餘部駅では、旧軌道を歩いたり、空の駅展望台からの絶景を楽しめ、またタイミングが合えば、列車の発着や通過を見ることができ、鉄ちゃんでなくても興奮すること間違いなしだ。
余部鉄橋のふもとには、道の駅あまるべがある。ここには、食事コーナーや売場コーナーだけでなく、情報・展示コーナーも併設されており、約100年にわたってJR山陰本線の運行を支えてきた余部鉄橋の貴重な変遷を学ぶことができる。
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余部鉄橋「空の駅展望施設」からの絶景を体験
フィールドパビリオンのプログラム外であるが、JR山陰本線には、趣のある駅(久谷駅、諸寄駅、居組駅等)が多くあると聞く。時間があれば、ゆっくり回りたいと思う。
<久谷駅>
<諸寄駅>
<居組駅>
餘部駅からはJR山陰本線で、鳥取駅へ向かい、駅近の「喫茶ベニ屋」で、鳥取名物カレーとインドミルクをいただく。鳥取市は、カレールーの消費量全国1位を競うだけあり、飲食店のレベルも高いと噂だ。こちらのルーはねっとり系で辛さはなく、コクがある。インドミルクはココア味で、今まで味わったことがないかき氷で、こちらも美味しくいただいた。
砂丘を満喫した後は、バスを乗継ぎ、鳥取砂丘コナン空港へ。空港というより、コナン博物館と勘違いしそうなくらいコナンが溢れている。作品に出てくる喫茶ポアロや阿笠博士の発明品等、ファンにはたまらない。
また、お土産コーナーにはコナングッズが多くある。こちらで、コナンの名場面シーンが綴られたトイレットペーパーを購入。最後の最後まで飽きることがない旅に大満足し、鳥取を飛び立った。