多様な地域で「特徴ある農業」が営まれています
変化に富んだ地形と多様な気候風土を有する兵庫県は、農産物の宝庫でもあります。四季が織りなす野の幸や山の幸が、大地と太陽の恵みを受けて健やかに育まれています。丹波では、盆地特有の昼夜間の寒暖差を活かした丹波黒大豆、但馬の山間地では、夏でも涼しい気候を活かした夏ダイコンなども栽培されています。広大な農地をもつ播磨では、水稲や特産品の醤油や素麺とも縁のある麦も栽培されています。温暖な淡路島では、水稲にレタス、たまねぎ、キャベツなどを組み合わせた三毛作や果樹の栽培が盛んです。
農村が果たす多面的な機能
農地は食料生産の基盤であるだけでなく、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成などの多面的機能を有しています。しかし、就農人口の減少と高齢化の進行によって農地は荒廃し、農村コミュニティの活力は低下していきつつあります。農業生産力やふるさとの景観や生活を守っていくため、産地の育成・拡大、経営体の法人化や経営の多角化、営農のDX化、企業参入や後継者等多様な担い手の確保、生産物のブランド化など、持続可能な力強い農業の展開に向けたチャレンジが進みつつあります。
甘さ抜群の「淡路島たまねぎ」
淡路島の南部では、初夏から田んぼの片隅にたまねぎを吊るした小屋が見られます。「たまねぎ小屋」と呼ばれる骨組みと屋根だけの簡易な小屋に、たまねぎがたくさん吊されています。海に囲まれた淡路島の自然の風を利用して、ゆっくりと乾燥・熟成させることで甘みも格段にアップした淡路島たまねぎは、兵庫が誇るブランド農産物の一つです。